FacebookページのKPI設定:その評価は本当に必要か?

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Facebookページを本格的に運用している企業の多くが一度は「KPI(Key Performance Indicator)を何に設定するかで悩んだことがあるはずです。
あるいは、選定して定期的に評価し始めたものの、「やはり数字に追われてもしょうがない」という結論にいたったという企業も多いはずです。
私も運用者の方から「KPIを何に設定すべきでしょうか?」という質問を受けることがありますが、大抵は「そのページのゴールによって異なります。」という趣旨の発言をしています。
今回は、なぜKPIの決定版はありえないのか、ということについて考えるため、多くの企業でKPIとして設定する項目を10項目取り上げ、そこで評価できるもの、評価できないものを考えてみます。

いいね!の数

Facebookページへの「いいね!」の数は、計測しやすいし、他のページの数値も確認できることから、指標にしているページが多いでしょう。
しかし、Facebookページの「いいね!」の数は、ページの種類や業種によって大きく差が生じるものなので、どのくらいが最適な規模なのかはページによって異なります。また、広告を出稿しているかどうかによっても、「いいね!」の数は異なってきます。
「いいね!」の数が多いけれど、実はちゃんとページの投稿を見ている人は少なかった・・・なんていうこともあります。「いいね!」の数だけを指標にしたり、数値目標にするのは避けたほうがいいでしょう。

いいね!の増減率

一定期間の「いいね!」の増減率を指標にしているところもあります。この数値は、インサイトには表示されないので、自分で計算する必要があります。定期的に測り続け、前月から増えた減っただけではなく、長い期間での成長を見るとよいでしょう。
ただし、一般的にユーザーは「いいね!」の取り消しはそれほど頻繁に行うわけではありませんので、大抵は増加していく傾向にあります。「いいね!」の増加率だけでページの運用評価は難しいでしょう。

話題にしている人

「話題にしている人」はインサイトから得られるデータです。詳細については、「クチコミの可視化!「話題にしている人」の価値を再考する」をご参考にしてください。
ただし、上記の記事でも紹介しているように、「話題にしている人」はユーザーのいろいろなアクションの合計値なので、ちょっとした条件の違い(例:広告を出稿した、クーポンを発行した、バイラルする画像を投稿した)で大きく上下します。計測するタイミングによって異なるために注意が必要です。

エンゲージメント率

エンゲージメントとは、ファンがページとどれくらい交流しているかの指標になります。Facebookページの運用にあたっては、ユーザーとのエンゲージメントは非常に重要です。なぜなら、投稿がどれくらいファンに受け入れられているか、担当者がFacebookページを通してどれくらいうまくコミュニケーションできているかといったことがわかるからです。
エンゲージメント率の評価方法にはいろいろあります。
一番簡単なのは、「いいね!」の総数に対する「話題にしている人」の割合です。10%を超えるページは多くなく、10%を超えれば盛り上がっているということができます。ただし、この割合はページの規模が小さければ高めになりますし、大きくなれば低くなりがちですので、目安としてみるといいでしょう。
なお、計算に「話題にしている人」を使っているために、上記で述べたように、ちょっとした条件の違いでこの率も上下することがあることに注意してください。

リーチ

リーチは、Facebookのインサイトから取得できるデータです。ページの投稿がどれくらいのユーザーに表示されたかを示します。インサイトでは、それぞれの投稿のリーチと、ページ全体のリーチの7日間の合計が取得できます。
リーチは、ニュースフィードなどに表示されることで、投稿が画面に表示されたユニーク数なので、必ずしも「投稿を読んだ」とはいえないのですが、投稿がどれくらいのユーザーに届けられたかを評価するには、もっとも適切な値でしょう。

一日当たりの投稿数

この指標では、Facebookページがどれくらいアクティブに運用されているかを評価できます。評価項目というよりも、運用目標にしている運営者も多いでしょう。Facebookでは理想は1日1回程度としていますが、ページ内容によってはもっと頻繁でもよいでしょうし、頻度が低くてもよいものもあります。
ただし投稿の頻度が下がり過ぎると、新しくページを見に来た人が「終わったページ」とみなしてしまうこともありますし、週に2回程度だと他のページに負けて表示されにくくなることもあります。

コメント返し率、反応時間

この指標では、コミュニケーションがどれくらいのサービスレベルで達成できているかを評価できます。具体的には、ファンが投稿に対してコメントをくれた場合に、どれくらいの割合で対応(返答、「いいね!」、あるいは投稿の削除(スパム等の場合))するか、そしてコメント返しまでの時間はどれくらいかを評価します。
コミュニケーションの場として、Facebookページの目的を考えているならば、すべてに返事をすることが理想です。コメントが多い場合は、質問や要望など答える必要があるもののみに返答するという運用でもよいでしょう。
なお、Facebookページ専用担当者を置いている企業はまれでしょうから、リアルタイムで返事を返すことはあまり現実的ではないはずです。24時間以内、あるいは次の投稿の時までに返せば、運用としては合格ラインといえるでしょう。

公式サイト、ブログなどへのトラフィック流入

Facebookページの運用の目的として、Facebookを軸にして、Web戦略全体を盛り上げるというところもあるでしょう。こういう場合は、Facebookページからのトラフィックがどれくらいあるかを指標にするとよいでしょう。
しかし、Facebookのインサイトからはリンクのクリック率をはかることはできません。よって、bit.lyなどに代表されるようなURL短縮サービスを使ってクリック率を計測するのがもっとも一般的な方法です。
短縮URLを使うのを避けたい場合は、WebサイトやブログなどにGoogleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを入れて、そこから流入元を計測する方法もあります。

広告効果

そもそも、FacebookのKPIが話題になるのは、多くの場合社内で「結局「いいね!」1万ってどれくらいの価値があるの?」「ユーザーと直接つながることは、どういう効果があるの?」といった質問をされることがあるからではないでしょうか。
それに答えるための方策として「広告効果」を指標にすることもあります。広告効果では、Facebookページの投稿によってリーチした人数分の露出効果を他の広告媒体で得るためにはどれくらいかかるかということを試算します。

ポジティブ/ネガティブの率

ユーザーからのFacebookページへの投稿や、ページ投稿に対するコメントがある程度あるならば、ユーザー投稿についてのポジティブ(好意的)/ネガティブ(否定的)/ニュートラル(どちらでもない)の率を計算することができます。
例えば、新サービスのリリースをお知らせした時など、ユーザーの期待値をポジティブ率で計測したり、炎上の可能性をネガティブ率で察知することもできます。
日本語のセンチメント分析においては、ツールでは難しい(あるいは高額)のため、人手によって分析するとよいでしょう。

まとめ:そもそも何のための指標なのか

さて、KPIにできそうな10個の指標について取り上げてみました。2013年はこれまで以上に、Facebookページの運用評価や効果についてが課題になるでしょう。
「いままで「いいね!」の数だけで一喜一憂していた」という方はどんな数値で評価できるのか、改めて考えてみてください。
すべてのページに絶対使えるKPIというのはないでしょうし、評価するべき項目はページによって異なります。それぞれの値の評価できる内容や、気をつけなければいけないことについて注意しながら、どの指標であれば使えそうかを探ってみてください。

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Satoshi Saito
Rex編集長 ソーシャルメディアだけでなく、コンテンツマーケティング、特にBtoB向けのコンテンツマーケティングのコンサルティングを展開。ビジネスモデル開発のフレームワークを使ったワークショップなども開催している。

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